人材育成基本方針


2021年4月

はじめに

当本部においては近年、消防力の強化のため老朽化した消防車両の更新、部隊の増隊に向けた職員の増員、さらには女性職員が活躍できる職場環境の整備など、今までにない設備と人員体制で、いつ起こるかわからない大規模災害に備えて万全な体制を整えています。

この方針を実効性あるものとするためには、職員一人ひとりがこの方針の内容を理解し、全職員が一丸となって人材育成に取り組んでいく必要があります。それには、職員一人ひとりが採用時に抱いていた志を改めて見つめ直すとともに、自分に今必要とされる能力を把握し、その向上に取り組んで行くことがなにより大切です。

職員の人材育成

(1)人材育成の目的

人材育成の目的は、職員の資質の向上及び職員同士が連携・協力することによる組織力の向上にあります。 

これを全職員が自覚し行動することが『地域住民が安心して暮らせる災害に強い安全な地域社会の実現』へつながる第一歩となります。

人材育成を効果的に進めていくためには、常日頃から、職員一人ひとりが積極的に自己啓発に努めるとともに、所属(総務、警防、予防及び活動隊)と人事・研修の担当が目的意識を共有し、相互に連携を取り合い「人材育成の土壌」を育んで行くことが重要だと考えています。
また、人材育成を推進することにより、職員一人ひとりの業務に対する知識や意識が高まり、より良い業務遂行につながるほか、職員個人にとっても業務そのものへのやりがいやモチベーションの向上につながります。

(2)目指すべき職員像について

自ら考える職員

・常に危機管理の最前線で働いている自覚を持ち、職務を遂行できる職員
・時代の変化に適応して自らを変革させ、長期的・多角的な視点で業務を行うことができる職員
・自ら課題を発見し、その解決に向け創意工夫できる職員

自ら行動する職員

・自らの仕事に誇りと責任を持ち、仲間と協力して行動できる職員
・常に問題意識を持ち、失敗を恐れずに問題や課題に情熱をもって挑戦することができる職員
・自己研鑽に努め、高度な知識・技術と強靭な体力・気力を保持できる職員住民に信頼される職員

住民に信頼される職員

・公務員としての責任を深く自覚し、相手の立場に立った対応ができる職員
・全体の奉仕者として、人権を尊重するとともに、法令等を遵守して、公平・公正に職務を遂行することができる職員
・住民に対し、適切に説明責任を果たすことのできる職員

(3)人材育成に関わる現状と課題

継続的な消防力の維持・向上

令和4年度の救急隊の増隊による採用人員の増により、災害現場経験の少ない若手職員が交替制勤務職員の中に占める割合は急激に増加し、組織として消防力の低下が懸念されているところです。このような状況にあっても、複雑多様化する災害に対し、臨機応変な対応が求められていることから、継続的な消防力の維持・向上を目的に、若手職員の災害対応力向上に取り組んでいきます。

住民の消防ニーズ拡大の拡大への対応

災害対応能力の向上を図ることはもとより、広報や住民への説明責任を果たす重要性は益々大きくなっているところであり、いついかなる状況においても、最高の消防サービスを提供するためには、職員一人ひとりが、様々な業務において知識・技術を向上させていく必要があります。
また、これからは40年を超えて消防業務に従事していく中、年齢にあった業務を選択できるよう、採用後早い段階から多くの業務を経験し、自己の適性把握と能力開発に積極的に取り組む必要があります。

業務量の増加及び活動技術、事務の高度化

ここ数年、業務量の増加と活動技術や事務の高度化が進み、職員一人ひとりの負担は益々大きなものとなっています。
今後は業務改革と業務改善を効果的に進めて、管理監督的な立場にある職員(以下「管理監督職員」という。)による適切な業務管理により、職員一人ひとりの業務量等の均一化を図ることが必要です。
また、職員の大半が活動系と事務系を兼務していることから、限られた時間で最大の効果が得られるよう、各所属及び活動隊がコミュニケーションを図りながら、年間を通じた効率的、効果的な業務計画を作成します。さらには、事務の高度化を目的としたナレッジマネージメントの促進に努めます。

基本方針

(1)人材育成の基本的な方向性

「地域住民が安心して暮らせる災害に強い安全な地域社会の実現」をメインテーマとする、第5次粕屋北部消防本部総合計画と地域住民の消防ニーズの変化に、スピード感を持って的確に対応する組織運営体制の確立が必要となります。

このことから、第5次粕屋北部消防本部総合計画期間における人材育成については、様々な変化に対応できる「自ら考え、行動し、信頼される職員」の育成を基本的な方向性として取り組みを進めます。

(2)人材育成の基盤

人材育成に関しては、職場外研修の「OFF-JT」もその方法の一つですが、最も重要な役割を担っているのは、日常業務を通じて意識、知識、技能及び態度について指導する「OJT」であり、人材育成の基盤となるものです。OJTの推進にあたっては、職場全体で人材育成を行うことがポイントですが、管理監督職員及び指導的立場の職員が、部下指導の責務を自覚するとともに、自らの指導力の向上に努め、積極的に若手職員の育成に参加する風土・体制づくりを進める必要があります。

さらに、各所属及び活動隊が互いにコミュニケーションを図りながら効果的に取り組みを推進するとともに、上司や指導にあたった職員がOJTを通じて職員の成長を認めることが、職員のやる気を引き出すことにつながります。

(3)人材育成における役割

人材育成の中心は各所属部署であり、その重要な役割を担う管理監督職員には、職員が職務を通じて能力向上を図れるように仕事の機会を与えるとともに、人事評価における面談等の機会を捉え、今後のキャリア形成や能力開発に向けて、必要に応じて助言をすることが求められます。

また、各所属部署での育成においては、単に管理監督職員や指導職員から部下職員へ指導を行うだけではなく、先輩職員から後輩職員に対する育成や、同僚がお互いを高め合うことによる成長など、職員一人ひとりが人材育成の主体となって取り組んでいく必要があります。

署長 ・自律的に組織をマネジメントするとともに、署内に人材育成施策の浸透を図るなど、人材を育てる風土を醸成する。
・部下職員の育成に向け、所属長及び管理監督職員に対し指導・助言を行う。
課長 ・課内の各係の連携を図り、部下職員の能力開発とモチベーションの向上など、人材育成・活性化を図る。
・人事評価面談では、部下職員への評価内容のフィードバックを行うなど、今後のキャリア形成に対し、助言を行う。
課長補佐 ・課長を補佐する立場としてリーダーシップを発揮し、部下職員の育成指導、コニュニケーションの活性化を図る
係長

(大隊長)

・職員の能力向上を意識して、係の業務配分を行い、仕事の機会を与える。
・人事評価面談では、部下職員への評価内容のフィードバックを行うなど、今後のキャリア形成を共に考え育成を図る
消防司令補

(中隊長)

・係長を補佐する立場としてリーダーシップを発揮し、部下職員の育成指導、コミュニケーションの活性化を図る
消防士長 ・責任ある中堅職員であることを自覚し、他のメンバーと積極的に協力するとともに、培った知識・経験を生かしながら部下及び後輩職員の育成指導を行う。
消防副士長 ・他のメンバーと積極的に協力すると共に、豊富な現場経験により培った専門的な知識を生かし、後輩職員の育成指導を行う。
消防士 ・消防職員として必要な思考・知識・技術・態度等を主体的に身に着けるとともに、積極的に上司、先輩職員と人間関係を構築し、職場へ適応する。
勤続年数

10年未満

・バイタリティ 活気ある行動をとる。基本を大切にして、長い消防人生のベースをつくる。
勤続年数

10年以上

・スペシャリティ 専門分野を身に付ける。人材育成マネジメント能力や専門性を習得し、中堅職員の一員として若手職員とベテラン職員の橋渡し役を担う。
勤続年数

20年以上

・オリジナリティ 創意・工夫を手掛ける。中堅職員をけん引し活気ある職場づくりに努める、自己のキャリアを確立させ、組織をリードしていく。
勤続年数

30年以上

・プロフェッショナル 質の高い仕事をする人物となる。経験と実績を活かしながら次世代のベテラン職員の育成と、組織の模範となる。
再任用

職員

・長年の業務経験により培った知識・技術の伝承と、本部のアドバイザー的役割を担う。組織内部の問題解決の助言を行うなど、半歩ひいて組織をサポートする。

人材育成の取り組み

(1)職員の責務

人材育成を、職員一人ひとりが自分のこととして捉え、自分がやるべきことは何かを考えて取り組みを進めることが重要です。

職員は、一人ひとりが明確な将来像を描いて、それを実現するため、必要な知識の習得や研修等への参加など、積極的に自己啓発に努めます。

また、研修を受講した職員は、研修成果(吸収した内容「インプット」)を担当係へ報告するとともに、積極的にフィードバック研修を実施(知識を還元する「アウトプット」)及び還元し、自己啓発の意義を理解した上で共に成長、高めあう風土の醸成に寄与していくことを使命としています。このサイクルを継続していくことで、自己啓発が下支えとなった効果的な研修が実現できます。

担当業務のみを行えばよいのではなく、上司、同僚及び部下職員とコミュニケーションを取り合いながら、協力・連携して仕事を進めていく必要があります。人間関係を良好に保ことが、業務を円滑に遂行する秘訣であり、人材育成においても非常に重要なのです。

(2)重要課題

ハラスメントの撲滅

ハラスメント対策については、消防全体が抱える最重要課題とし、全職員で撲滅に取り組んでいます。

通報制度の確立と相談窓口の設置、また職員の気付きを促す取り組みとしてアンケート(セルフチェックを含む。)を実施するなど、ハラスメントがない風通しの良い職場環境の整備を進めています。同時に管理監督職員に対しては、部下に必要な指導を行えるよう、「地方公共団体におけるハラスメント対策」及び「女性の職場生活における活躍の推進に関する法律」などの関係法令に基づいた、研修受講を義務付けています。

これらの取り組みが正常に機能するためには、窓口職員のスキルアップと徹底した調査(能力習得)、問題の解決に向けた職場支援と適正な措置が重要です。

女性の活躍推進

これまで、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律及び特定事業主行動計画に基づき、女性職員の採用に向けて様々な取り組みを行ってきました。これからは、本格的に女性が活躍できる職場環境の構築のため施設面の整備と合わせて、職員の意識改革を行っていきます。今後の具体的な取り組みは、女性消防職員活躍推進アドバイザー制度の活用、構成市町の人事担当者等と積極的な情報交換、女性のライフイベントによる休業等のサポート体制の構築を目指していきます

(3)所属における人材育成

日常業務を通じての指導・助言

 管理監督職員は、部下職員や後輩職員に対して、成長段階に応じた訓練や業務経験や必要に応じた的確な指導・助言を適切な機会に提供することにより、育成を図ります。指導にあたっては、相手に与える影響を十分に意識し、公務員として求められる人物像や、職員として必要な意識、知識、「技術」「態度」を明確にするとともに、研修等で指導方法等を積極的に習得します。

各種教養・研修・訓練の充実

災害現場においては、消火、救助、救急等の各種の活動にかかる知識、技術に加え、それぞれの活動に対しての安全対策が必要です。

現場活動を安全・確実・迅速に行うために職員一人ひとりが習得すべき知識、技術の量は膨大であることから、これを習得させるため、管理監督職員は、随時部下職員に対し、各種の教養・研修を行うことが求められます。

また、各種訓練は基礎訓練による個人の技術の向上に始まり、小隊レベルでの組織的な活動、小隊と小隊、中隊と中隊の連携強化そして大隊での活動へと、スムーズにレベルアップが図れるよう計画するとともに、訓練結果を各部で共有するなど、効果的・効率的な訓練計画の策定と訓練実施後のフォローアップが重要です。

管理監督職員及び指導職員の育成

若手職員の育成だけではなく、今後は、管理監督職員及び指導職員に対する研修や、管理監督職員や指導職員等の各級指揮者を対象として実施する勉強会など、職員を育成・指導する立場にある職員の指導力の向上に向けた対策についても、計画的に取り組む必要があります。

(4)職員研修による人材育成

職場内研修の実施(OJT)

管理監督的立場にある職員は、日々の業務の中で職場の課題や職員に求められるスキルを的確に把握したうえで、総務研修(給与、財政等)、予防研修(査察、住民指導等)及び警防研修(安全管理、火災原因調査等)等の職場研修を実施し、職場における学習的風土の醸成を図ります。

職場外研修への派遣(OFF-JT)

管理監督職員及び研修担当係が積極的にコミュニケーションを図り、職員の成長段階、能力及び適切な時期を考慮し、さらには全職員が公平に教育を受けることができる機会を与えるとともに、長期研修の重複や偏りをなくすなど、適正に管理されたルールに従い、職員の職場外研修へ推薦します。また、研修を受講する職員が明確な目標を持って研修に取り組めるような環境づくりに努めます。

研修終了後は積極的にフィードバック研修を実施するよう指導するなど、職員の能力開発に努めます。

(5)人材育成につながる人事制度

採用

 職員の採用に際しては「公正な採用選考」を行うとともに、筆記試験や体力試験の点数だけではなく、人物を重視した試験を実施し、総合的な人間力を持った人材の採用に取り組むことで組織の活性化に努めます。さらに、特定事業主行動計画に基づき、今後は採用試験における女性受験者の割合を8%程度確保することを目標にPR活動を行っていきます。

ジョブローテーション

公平、公正な人事評価制度を活用することで、職員の知識、経験、能力及び希望する職務等を把握し、それを基に、人を育てる観点をもったジョブローテーションを実施します。

職員は各所属で基本的な知識を身につけるとともに、自身の適性を見出すことで、今後どのような業務にチャレンジしたいのかといった自らのキャリア形成を行うなど、自身が進むべき方向を検討します。スペシャリストやゼネラリストの育成を行いながら、ワークバランスを考慮した配置計画を推進します。

高度な知識、技術及び資格を有する職員の育成

基本的・専門的な知識を有すると認められる職員に対しては、高度な知識、技術及び資格の習得等を目的とした研修や講習会への派遣を、計画的に実施します。

管理監督職員は、日頃から毎日勤務への異動を意識して職務に取り組むよう指導するとともに、必要な知識の習得及び所属する係の事務分掌の把握のため、適時適切に助言等を行います。

人事評価制度による人材育成

 平成23年度から実施している人事評価制度は、職員一人ひとりに期待される役割、仕事の内容、必要とされる能力等、求められる職員像を明確化すること及び能力・実績に基づく人事管理により、優秀な職員を育成することを目的としています。

また、公平で公正な評価により職員の職務意欲の向上を図ること及び上司との面談やOJTをとおしてコミュニケーションの円滑化を図ることで組織活動を活性化させることを目的としています。

(6)人材育成に関連するその他の取り組み

業務の伝承

業務の伝承については、所属内で優先順位を定め業務化することで、異動に伴う業務停滞を防ぐことができます。その他にも、火災原因調査、車両の操縦や機関運用、安全管理面など経験に基づく技術、技能、知識等を効果的、効率的に伝承する必要があるため、特に経験豊富な職員が主体となり各所属と連携し業務の伝承を行います。そうすることで、ベテラン職員のモチベーションの低下の防止を図りながら、業務伝承のサイクルを確立させます。

再任用制度

退職後の生活を雇用と年金の連携により支えていくため、基礎年金の支給開始年齢到達までの間、退職者を再任用職員として雇用しています。

再任用職員の配属先については、豊富な経験を生かし、専門性の高い係へ配属することで、職員一人あたりの業務量の減少や事務の円滑化を図るとともに、効果的に業務の伝承を進められるよう取り組んでいます。今後は、公務員の定年延長も予定されています。関係機関と連携し制度制定に努めます。

職員の健康管理

 職員が、日々、健康で明るく元気に業務に従事できることは、消防力の維持や住民サービスの向上だけでなく、組織の活性化という観点からも欠かせない要素です。

そのためには、職員の心身の健康管理として、健康診断による疾病の早期発見、早期治療や産業医、保健師による健康相談等により、職員の健康の保持増進に努めるとともに、万が一同僚が疾病により休業した際には、周囲の職員が協力し合い、早期に職場復帰できるような環境づくりが必要となります。

また、社会情勢のめまぐるしい変化や価値観の多様化等に伴い、ストレスの増大が社会問題になるなど、精神面での健康管理(メンタルヘルスケア)の重要度が増しています。心の病を特定の人の問題とせず、職員一人ひとりが自分にも起こりうる問題として認識し、お互いに助け合いながらストレスに対処していきます。

カスホーク

カスホーク

粕屋北部消防本部のマスコットキャラクター ホームページの管理人

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